- ECサイトの適切な集客方法がわからない
- 広告を回しているけど、CPAが目標値に届かない
- ECの売上を増やすための新しい施策を探している
といったように、ECサイトの集客施策を行なっているものの、売上を思うように伸ばせていないとお悩みの方は多いのではないでしょうか?
この記事では、ECの基本的な集客方法から、売上をUPさせるための広告施策について解説しています。季節性やブランドの認知度などの状況に合わせた、適切な広告の打ち出し方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトの基本的な集客方法は?
まずは、ECサイトの集客方法を紹介していきます。代表的な集客方法は下記の3つです。
- SEO
- Web広告
- SNS
それぞれの施策ごとにメリットとデメリットを解説していきます。必要な予算や効果が出るまでの期間も施策ごとに異なるので、今の状況に合わせて使い分けることが大切です。
SEO:成果が出るまでにかかる期間は半年~数年単位で見る必要がある。費用は総額で50万円〜数百万円になるケースが多い。
Web広告:1日〜1週間の短期間で成果がでる。数円単位でも課金でき、費用は運用方法によってさまざま。
SNS:成果が出るまでにかかる期間は半年〜1,2年ほど。費用は10万円~数十万/月ほど。
SEOによるECサイトへの集客|長期的な対策・高コスト
ここでは、SEOで集客を行う際のメリットとデメリットを解説していきます。SEOは中長期的な運用が必要な施策です。SEO対策がうまくいけば、貴重な資産として運用できるのでぜひ取り組んでみてください。
メリット
SEOで集客を行うことによって、大きく下記の2つのメリットがあります。
- 資産性が高い
- 購買意欲が高いユーザーを集客できる
検索順位は、Googleなどによるサイトへの評価によって決まります。上位表示されるためのロジックはブラックボックスとなっており、お金をかけたとしても上位表示は約束されません。
代わりに、良いコンテンツを作って上位表示されれば、低予算で中長期的に集客を行うことができます。広告のように継続的にお金を払う必要がないので、上位表示ができれば非常にコスパの良い集客方法と言えるでしょう。記事はずっと残り続けるため、資産性が高いのもメリットの1つです。
また、ユーザーが「検索」をしているということは、すでに興味を持っている状態といえます。すでに興味や購買意欲が高いユーザーにアプローチできるので、結果として購買にも繋がりやすいのもメリットです。
さらに、コンテンツ作成だけでなく内部対策も忘れずに行いましょう。検索エンジンに評価されやすいようにECサイトを整えておくことで、上位表示されやすくなります。
デメリット
デメリットとしては、下記の3点があります。
- 検索順位は安定しない
- 必ず結果が出るとは限らない
- 効果が出るまでに時間がかかる場合がある
良い記事を書いたからといって、必ず上位表示されるわけではありません。Googleの評価システム(アルゴリズム)が変われば、検索順位が変動することもよくあります。
さらに、結果が出るまでは半年〜数年単位の時間がかかるため、SEO対策を行うのであれば中長期的に施策を打つ必要があります。
Web広告によるECサイトへの集客|短期的な対策・高コスト
2つ目はWeb広告による集客方法です。Web広告は即効性があり、適切な運用ができれば多くのコンバージョンを得られる可能性もあります。
メリット
メリットは大きく下記の3つです。
- 少ない費用でも始められる
- すぐに結果が出やすくPDCAを回しやすい
- 顕在層・潜在層のどちらにもアプローチできる
SEOと違い、Web広告は料金を支払えばすぐに広告配信ができ、即効性があります。少額からでも始められ、結果が出るのが早いのが特徴です。毎日、成果状況を確認できるので、売上やアクセスに繋がらなかった場合は、PDCAを高頻度で回すことが可能です。
また、Web広告には「リスティング広告」や「ディスプレイ広告」などさまざまな種類があります。目的によって媒体や手法を使い分けることで、効果的に集客を行うことができます。
「アフィリエイト広告」なら、成果報酬での支払いになるためCPAをコントロールしやすいという利点があります。成果地点や報酬金額も自由に決められるため、必要に応じて出稿の検討をしましょう。
デメリット
デメリットは大きく下記の2つです。
- 効果を出すためには多くの知識が必要
- 競合が多い業界だと、多くの資金が必要
Web広告は商材によって適切な運用広告も異なり、豊富な知識が必要です。広告配信を行う媒体ごとの設定や特徴を把握する必要があるため、素人が効果的な運用をするのはかなり難しいと言えるでしょう。
また、Web広告は多くの場合、「入札制」をとっています。競合がお金をかけている場合、それ以上のお金を用意しなければならず、場合によってはかなり費用が高額になるケースがあります。
SNSによるECサイトへの集客|中期的な対策・中コスト
最後に紹介するのは、SNSでの集客です。SNSは認知度の向上やコアなファンの獲得に有効な媒体です。投稿を通じてユーザーとコミュニケーションが取れたり、率直な意見を聞くこともできます。
メリット
メリットは大きく下記の2点です。
- 口コミによる拡散を狙える
- 無料でできる
SNSの最大の特徴は「拡散性」です。いいなと思ってもらえる投稿をすると、リツイートやいいねなどで拡散されます。それが連鎖していくことで、これまで自社に興味を持っていなかった人にも認知を広めることができます。
特に、Instagramは写真がメインの投稿になるため、商品紹介もしやすくECへの集客におすすめの媒体です。
デメリット
デメリットは大きく下記の2つです。
- 時間がかかる
- 地道に投稿する努力が必要
SNS運用で重要なのが、フォロワーの獲得です。しかし、フォロワーはすぐに増えるものではありません。地道に投稿を重ねて、自社の魅力を伝える必要があるため時間がかかります。そのため、フォロワーを増やして売上に繋げるためには1年以上かかるケースも多いでしょう。
無料で気軽に集客を始められる反面、結果が出るまでには時間と地道な努力が必要な施策です。
ECサイトの売り上げを上げるための広告での集客戦略
先ほど紹介した施策の中から、「Web広告」について焦点をあてて解説していきます。ECサイトの広告運用は、商品の単価や認知度によっても大きく異なってきます。
ぜひ、あなたのサイトに当てはまる内容があれば、改善して集客効果をUPさせましょう。
また、集客施策の効率をあげていくためには、施策単位でのボトルネックの特定が必要になります。そこで重要なのが「目標設定」です。この後の章で目標の立て方について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトの目標を設定する
ECサイトの広告運用をおこなっているものの、施策ごとの目標設定で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ここでは、目標の立て方やECサイトで効果的な広告施策を解説していきます。
ECサイトの改善点の見つけ方|離脱率をチェックする
改善点の発掘はGoogle Analyticsで行います。まずは、「集客・追客・接客」でそれぞれ現状の数値把握をしましょう。現状の数値がわかれば、次に問題点を洗い出して目標設定を行います。
特に、問題点を洗い出す際は離脱率を重視するのがおすすめです。階層ごとに離脱率を洗い出し、離脱率が高いページは改善していく必要があります。
離脱率に関しては、業界別の平均値などを調査して比較してください。改善点が見つかれば、目標のCVRから逆算して各階層ごとに目標値を設定していきましょう。
CPAの改善|コンバージョンに近いところからテコ入れを
現状の数値がわかれば、次に問題点を洗い出して目標設定を行います。
目標設定する際に重要なのが、「売上から近いところを重点的に改善していく」ことです。売上から遠い「集客」を行なったとしても、売上に近い「接客」で問題があれば結果的に売上に繋がりません。
もし「集客・追客・接客」の全てができていないのであれば、接客から改善しましょう。売上から近いところを改善して、CPAを下げていけば他の施策に予算を使えるようにもなるのでおすすめです。
リターゲティング広告の活用|追客を徹底する
ECサイトだと、リターゲティング広告が有効です。追客を徹底することで認知度を高めたり、キャンペーンの実施によって購買を促進できます。Criteoなどの動的リターゲティング広告を活用することで、効果的に追客を行いましょう。
※リターゲティング広告は、Googleでは「広告主様のデータ」に名称変更されています
※Criteo:ディスプレイ広告型の動的リターゲティング広告のこと。優秀なアルゴリズムを備えており、YDNに動的リターゲティング広告を出せることから注目を集めている広告媒体。Criteoを使い、GDN・FB・IGの動的リターゲティング広告と合わせて活用されることが多い。
実力のある大手Webコンサルティング会社について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
「【2022年】実力のある大手Webコンサルティング会社5社をプロが徹底比較!料金の相場や選び方も併せて解説」
また、「広告戦略について相談したい」「自社に最適な運用方法をアドバイスしてほしい」とお悩みの方はぜひ弊社にご相談ください。さまざまな業界で売上改善を行なってきたコンサルタントが、貴社の売上UPをお手伝いします。
マイナーブランドが認知度を上げるためにやるべきことは?
ブランドやサイトの認知度によっても適切な広告戦略は異なります。特にマイナーブランドだと、オーガニックでの検索も少なく集客に困ることが多いでしょう。
ここからは、マイナーブランドで行うべき広告施策を解説していきます。
フリークエンシー(接触頻度)を増やす
ブランディングに注力する場合、フリークエンシーキャップを増やしましょう。ユーザーに広告を見せる頻度を高めることによって、ブランドの認知度を増やすことが狙いです。具体的には、フリークエンシーキャップを3〜5に設定するのがおすすめです。
しかし、反応率が下がっている兆候が見られたらフリークエンシーを減らし、非効率な予算消化を抑えましょう。
※フリークエンシーとは、広告への接触頻度のこと。「同じユーザーへ1日に何回広告を見せるか」を設定することが可能。
有名人をアンバサダーとして起用する。
タレントをアンバサダーに起用して認知度を高めることも効果的な施策です。特に効果的なのは、スポット的に複数のタレントを起用するのではなく、アンバサダーとして1名を大々的に起用しPRする方法です。
複数人ではなく1人に入ってもらうことで、下記のようなメリットがあります。
- 「インフルエンサー名前×商材」で商材の認知度が上がる
- ひいては、商材単体での検索ボリュームも増加する
具体的な成功事例としては、ロコンド社とYouTuberヒカルとのタイアップが挙げられます。ロコンド社はヒカル1人を起用しオリジナル商品を販売することによって、知名度・売上を上げることに成功しました。
参照:【公式】ロコンド「YOUは何しに日本へ?」で流れた30秒ver CM (2020年5月4日)出演: 宮迫博之、ヒカル
予算が少ない場合のECサイトの運用方法は?
アクセスが立っていない状態だと、集客に大きな予算をかけられない方も多いでしょう。ここからは、アクセス・予算が少ない方がやるべき施策を解説していきます。
リターゲティングを徹底する|アクセス数がある場合
収益化できていないもののアクセス数があるのであれば、リターゲティングによる「追客」を徹底しましょう。新規顧客を集めることよりも、一度興味を持ってくれた人に再度アピールしていく方が結果的に売上に繋がりやすいです。
リターゲティング広告では、キャンペーンなどの購買意欲を高められる訴求を行いましょう。
商品設計から考え直す|アクセス数がない場合
アクセス数がなく、売上も立っていない場合は商品に魅力がない可能性があります。特に、低単価・低利益の商品だと、広告を回しても赤字になりやすいため、商品設計から再度行ったほうが良いかもしれません。
一方で、高単価・高利益率の商品であればアフィリエイトの活用も検討してみましょう。アフィリエイト報酬も高額にすることで、多くのアフィリエイターにPRしてもらうことができます。初期費用もほぼかからないため、おすすめです。
セール期と閑散期の販売戦略の違いは?
特にブランドものだと、セール期と閑散期が明確に別れることが多いです。時期によって訴求軸を変えることが重要となってきます。
ここでは、セール期・閑散期でそれぞれ最適な訴求方法を解説していきます。
閑散期|機能面で訴求する
閑散期は、機能面で訴求するのがおすすめです。セール期のように金額で訴求するのではなく、自社だけの魅力や利便性などを訴求していきましょう。
また、閑散期には予算を抑えてセール期に予算を大きくかけることも検討してみてください。
セール期|価格で訴求する
セール期は、価格で訴求しましょう。代理店販売・類似品と比べても価格で見劣りしないため、十分に戦うことができます。
価格で興味を引いた後、機能や質で訴求していけば購入まで繋がりやすくなるでしょう。
ECサイトのSEO対策で注意すべきことは?
SEO対策を行うにあたって注意すべきなのが、「コーポレートサイトとECサイトのバッティング」です。ECよりも、売上に繋がらないコーポレートサイトが上位に表示されているケースがあります。
もし、販売機能のないコーポレートサイトが上位表示されている場合は、ECサイトが上位表示されるように改善しましょう。改善には、高度な知識が必要なケースが多いので、サイト制作とSEO対策に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
また、コーポレートサイトとECサイトを同一ドメインにて運営することで、コンバージョンが改善する可能性があります。
「改善点を見つけるのが難しい」とお悩みの方はぜひ弊社にご相談ください。さまざまな業界でサイト改善を行なってきたコンサルタントが、貴社の売上UPをお手伝いします。
ECサイトで集客成功した事例は?【売り上げ5倍になった実例も紹介】
ここからは、実際に広告施策やサイトの改善を行なったことで売上が上がった成功事例を紹介していきます。比較的簡単に真似できる事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
セット販売を行う
この事例では、今まで単品売りを行なっていたものを割引は行わずにセットにして販売にした結果、売上が5倍近くにまで上がった例です。
このECサイトでは、単品販売だと顧客単価が低く、売上が伸びないという課題がありました。そこで、セット売りに見せ方だけを変えてPRした結果、月の売上が100万円から500万円ほどに改善されました。
割引を行わなくとも見せ方を変えるだけで、消費者への訴求力が大きく改善した事例となりました。
購入までの導線を短くする
この事例は、購入までの一連の流れを改善することでCVRを改善できた事例です。
このサイトでは、購入前に会員登録が必須となっていました。その結果、「会員登録が面倒」という理由で、カートから決済までの遷移率が大きく下がっていたのです。
会員登録の工数を限りなく減らした結果、CVRも大きく改善することができました。もし可能であれば、会員登録を購入後に移動するのがおすすめです。
この事例は、ユーザーの負担をできる限り減らすことで、売上が上がったケースとなりました。
まとめ:ECの集客ではコンバージョンに近い要因から改善しよう
この記事では、ECサイトの集客方法や広告施策について解説してきました。
売上が立っていない場合は、まずは下記の流れで問題点を洗い出し改善していきましょう。
- Google analyticsで各階層ごとの離脱率などを調査する
- 競合の平均離脱率を調査して、平均より下回っている項目を見つける
- 売上に近い項目から順に改善を行う
もし、「改善点の洗い出しが難しい」「適切な広告戦略を立てるのを手伝って欲しい」とお悩みの方はぜひ弊社にご相談ください。さまざまな業界で売上改善を行なってきたコンサルタントが、貴社の売上UPをお手伝いします。